CRCエラーとは?原因と直し方、データ損失を防ぐ方法
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大きなファイルをコピーしようとしたとき。新しいゲームをインストールしているとき。ZIPファイルを開こうとしているとき。PCに「データ エラー(巡回冗長検査(CRC)エラー)」と表示され、作業が止まってしまったことはないでしょうか。突然出てくると、ファイルが壊れたのか、PC本体に問題があるのか、少し不安になります。CRCエラーとは、ひと言でいうと「読み取ったデータが、本来読み取れるはずのデータと一致していない」ときに出るエラーです。名前だけ見ると難しく感じますが、実はデータの異常を見つけるための基本的な仕組みでもあります。この記事では、CRCエラーの意味、よくある原因、安全な対処法、データ損失を防ぐために普段からできることを、順番に解説します。
CRCは「Cyclic Redundancy Check」の略で、日本語では「巡回冗長検査」と呼ばれます。ネットワークやストレージの分野で使われる、データの異常を検出するための仕組みです。ファイルが作成されたり送信されたりするとき、そのデータには短いチェック値が付けられます。そして後からファイルを開く、コピーする、読み込むといった場面で、システムがもう一度チェック値を計算します。ここで、最初の値と後から計算した値が一致しない場合、Windowsは処理を止めてCRCエラーを表示します。壊れたデータをそのまま使わないよう、手前で警告してくれるわけです。止まってしまうのは困りますが、CRCエラーは単なるトラブル表示ではありません。データの破損に気づくためのサインでもあります。
CRCエラーは、作業の内容によって表示のされ方が変わります。よく見られるメッセージには、次のようなものがあります。
・データ エラー(巡回冗長検査(CRC)エラー) (cyclic redundancy check)
・ファイルまたはディレクトリが壊れているため、読み取ることができません(The file or directory is corrupted and unreadable.)
・コピーできません:データ エラー CRC(Cannot copy: Data error CRC)
・WinRARや7-Zipで「CRC failed(CRC failed)」と表示される
・Windows起動時に「Disk read error(Disk read error)」と表示される
メッセージとして出るだけではなく、ファイルが開けない、コピーが途中で止まる、インストーラーが途中で終了する、特定のフォルダーを開くとエクスプローラーが固まる、といった形で現れることもあります。状況によっては、NTFS関連の停止コードを伴うブルースクリーンが発生する場合もあります。
古いHDDでは、機械的な摩耗、落下や衝撃、長年の使用による不良セクターの増加によって、CRCエラーが起きることがあります。HDDは内部のディスクを回転させ、読み書きヘッドでデータを読み取る仕組みです。そのため、特定のセクターを正しく読めなくなると、CRCチェックに失敗することがあります。こうした状態は、診断ソフトでSMART情報を確認することで把握できる場合があります。特に「05 Reallocated Sectors Count」は、HDDの状態を見るうえで参考になる項目です。
SSDには、HDDのような可動部分がありません。比較的衝撃には強いですが、CRCエラーが起きないわけではありません。主な原因としては、ファームウェアの不具合、NANDフラッシュメモリの劣化、コントローラーの故障などが考えられます。SSDだから絶対に安心、とは言い切れないのです。
ハードウェアには問題がなく、ファイルだけが壊れているケースもあります。たとえば、ダウンロードが途中で中断された、サーバー側のファイルが破損していた、転送中にデータが乱れた、といった場合です。SteamやEpic Gamesのゲーム、Windows ISO、ZIPやRARファイルなどで見られます。こんなときは、MD5やSHA-256などのチェックサムでファイルの整合性を確認できます。WindowsのCertUtilや7-Zipを使えば、ダウンロードしたファイルが正しいかどうかをチェックできます。
物理的な接続が不安定だと、データ転送中にエラーが起きることがあります。外付けHDD、ポータブルSSD、USBメモリでは、USBケーブルの劣化や接触不良が原因になることがあります。高速な外付けストレージほど、ケーブルの品質や端子の状態が影響しやすくなります。デスクトップPCの内部では、SATAケーブルが緩んでいたり、折れ曲がっていたりするだけで問題が出ることもあります。ThunderboltやUSB4で接続する外付けドライブでも、ケーブルやポートとの相性によってCRCエラーが発生する場合があります。
データは、ストレージに保存される前にいったんRAMを通ります。そのため、RAMに不具合があると、保存前の段階でデータが壊れることがあります。後からそのファイルを読み込んだとき、CRCの値が合わず、エラーとして表示されるという流れです。
ストレージ本体が物理的に壊れていなくても、ファイルシステム側の問題でCRCエラーが出ることがあります。たとえば、NTFSのメタデータ異常、書き込み中の突然の電源断、USBドライブの不適切な取り外し、MFT(Master File Table)の破損などです。こうしたトラブルでは、複数のファイルがまとめて読めなくなることもあります。
古いCD、DVD、Blu-rayからデータを読み取るときにも、CRCエラーが出ることがあります。原因は、傷、汚れ、指紋、経年劣化などです。データ層そのものが劣化する「ディスクロット」と呼ばれる現象もあり、古いメディアを扱うときは注意が必要です。
小型の筐体内でストレージが熱を持ちすぎると、データの読み書きが不安定になることがあります。これは、ミニPCでも意識しておきたいポイントです。筐体が小さいPCでは、内部の空気の流れや冷却設計が安定性に関わります。HWiNFO64やCrystalDiskInfoなどのソフトを使えば、SSDやHDDの温度を確認できます。
マルウェアによってファイルヘッダーが書き換えられると、CRCエラーが発生することがあります。ランサムウェアがファイルを部分的に暗号化した場合にも、CRCの不一致が起きることがあります。複数の種類のファイルで同時に問題が出ている場合は、ストレージだけでなく、セキュリティ面も確認したほうがよいでしょう。
重要:CRCエラーが出たとき、すぐに修復コマンドを実行したくなるかもしれませんが、その前にやることがあります。HDDやSSDが物理的に壊れかけている場合、CHKDSK /rのような処理をいきなり走らせると、ストレージに大きな負荷がかかります。その結果、状態が悪化することもあります。大切なファイルを守るために、修復よりもまずはバックアップやデータ移行を考えてください。
エラーが特定のゲームやファイルだけで起きるなら、ファイル自体が壊れている可能性があります。対象のファイルを削除し、ブラウザやランチャーのキャッシュを消してから、もう一度ダウンロードしてみましょう。SteamやEpic Gamesの場合は、「ゲームファイルの整合性を確認」といった機能が用意されています。壊れたファイルだけを再度取得できる場合があるので、まず試しておきたい方法です。
Windowsには、軽いファイルシステムエラーを修復するための機能があります。エクスプローラーで問題のあるドライブを右クリックし、「プロパティ」を開きます。次に「ツール」タブを選び、「エラーチェック」の項目から「チェック」を実行してください。画面の案内に沿って進めれば、ドライブのスキャンと簡単な修復ができます。
Windowsのシステムファイルに関連してCRCエラーが出ている場合は、SFCとDISMが役立つことがあります。
管理者権限でコマンドプロンプトを開き、まず次のコマンドを実行します。
sfc /scannow
これで改善しない場合は、Windowsイメージを修復するために、次のコマンドを実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
いずれも、主にWindows側の問題を確認するための方法です。ストレージの物理的な故障を直接直すものではありません。
PCの電源を切り、コンセントも抜いたうえで、内部の接続を確認します。デスクトップPCの場合は、ストレージとマザーボードにつながっているSATAデータケーブルや電源ケーブルを一度抜き、しっかり差し直してください。外付けドライブなら、別のUSBケーブルや別のUSBポートを試します。USBハブを使っている場合は、いったん外してPC本体に直接つなぐと、原因を切り分けやすくなります。
ストレージの状態を見るには、CrystalDiskInfo、Samsung Magician、Crucial Storage Executiveなどの診断ツールが使えます。特に確認したい項目は、次の3つです。
・05:Reallocated Sectors Count
・C5:Current Pending Sector Count
・BB:Uncorrectable Sector Count
これらの数値が多い、あるいは増え続けている場合は、ストレージに問題が出ている可能性があります。大切なデータがあるなら、早めにバックアップを取ってください。
データのバックアップが取れている場合は、より本格的な修復としてCHKDSKを実行できます。管理者権限でコマンドプロンプトを開き、次のように入力します。
chkdsk X: /f /r
「X」は、対象ドライブの文字に置き換えてください。
このコマンドは、ファイルシステムのエラー修復に加え、不良セクターから読み取れるデータの回収も試みます。処理に数時間かかることもあります。故障しかけているドライブには負荷がかかるため、実行前のバックアップは欠かせません。
RAMの不具合が疑われる場合は、Windowsメモリ診断やMemTest86などを使って確認します。エラーが見つかった場合は、メモリの差し直しや、故障したメモリモジュールの交換が必要になることがあります。
CHKDSKなどでも改善せず、物理的な故障が疑われる場合は、ドライブの使用を止めたほうが安全です。そのまま使い続けると、まだ読めるデータまで失われるおそれがあります。データ復旧ソフトを使うか、重要なデータであれば専門の復旧サービスに相談してください。その後は、新しいストレージへの交換を検討しましょう。
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CRCエラーが出たからといって、SSDやHDDが必ず壊れているわけではありません。原因が、破損したダウンロードファイルや、緩んだケーブルだけということもあります。一度だけ出たCRCエラーであれば、まずはファイルの再取得や接続の確認から始めるのが現実的です。ただ、同じドライブで何度もCRCエラーが出る場合は注意が必要です。HDDでは、機械的な摩耗や不良セクターが関係していることがあります。SSDでは、NANDの劣化だけでなく、ファームウェアの問題、接続不良、コントローラーのトラブルなども原因になります。いずれの場合も、最初にバックアップ。そのうえで診断し、問題が続くなら交換を考える。この順番で進めるのが安全です。
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CRCエラーは、大型のデスクトップPCだけで起きるものではありません。ミニPCでも、同じように発生します。ミニPCは、M.2 NVMe SSDやSATA SSDなど、一般的なストレージインターフェースを使っています。そのため、基本的な仕組みはフルサイズのデスクトップPCと同じです。とはいえ、小型PCならではの注意点もあります。
・温度上昇:小型筐体では、内部の温度が上がりやすくなります。高温の状態が続くと、SSDコントローラーの動作が一時的に不安定になり、書き込みエラーにつながることがあります。ミニPCを選ぶときは、CPU性能やメモリ容量だけでなく、冷却設計にも目を向けておきたいところです。
・リボンケーブルの接続:GEEKOM A8、GEEKOM IT13のような高性能ミニPCでは、M.2 NVMe SSDに加えて、セカンダリSATAストレージを搭載できるモデルがあります。2台目のドライブを追加した後にCRCエラーが出る場合は、SATAのフレキシブルケーブルが正しく差し込まれているか、固定が甘くなっていないかを確認してください。
・外付ストレージの安定性:ミニPCでは、USB4やThunderbolt 4経由で高速な外付けSSDを使う人も多いでしょう。この場合、ケーブルの品質が大切です。帯域に合わないケーブルや劣化したケーブルを使うと、信号が不安定になり、CRCエラーの原因になることがあります。高速ストレージを使うなら、規格に合った高品質なケーブルを選びたいところです。
CRCエラーは、起きてから対処するより、普段から防ぐ意識を持つほうが安心です。外付けドライブを抜く前には、必ず「安全な取り外し」を実行しましょう。書き込み中に抜いてしまうと、ファイルシステムが壊れる原因になります。停電や瞬断に備えるなら、サージプロテクターやUPSの利用も検討できます。仕事のファイルや制作データを扱うPCでは、電源の安定性も見逃せません。PC内部の温度にも注意しましょう。通気口をふさがない。ほこりをためない。熱のこもりやすい場所に置かない。こうした基本的な対策でも、ストレージの安定性は変わります。バックアップについては、3-2-1ルールを意識すると安心です。
・データを3つ持つ
・2種類のメディアに保存する
・1つは別の場所に保管する
大切な写真、仕事のファイル、制作データなどは、1台のストレージだけに置かないようにしましょう。
A:はい、起きることがあります。SSDには可動部分がないため、HDDのような機械的な故障は起きにくい構造です。ただし、NANDフラッシュの劣化、コントローラーの不具合、ファームウェアの問題などによって、データ破損やCRCエラーが発生することがあります。
A:その可能性もあります。ランサムウェアによる暗号化や、マルウェアによるファイルヘッダーの改変で、CRCの不一致が起きることがあります。とはいえ、実際にはケーブル不良、ダウンロードファイルの破損、ストレージの不具合などが原因になっているケースが多く見られます。
A:不良セクターは、ストレージ上の特定の領域に読み書きの問題がある状態です。一方、CRCエラーは、読み取ったデータが本来のデータと一致しないときに表示されるエラーです。不良セクターからデータを読もうとして、そのデータが壊れているとCRCエラーが出ることがあります。
A:いいえ。CHKDSKなどのWindowsツールで修復できるのは、主に論理的なファイルシステムエラーです。物理的に壊れたストレージや、完全に破損したデータを元通りにすることはできません。
A:必ずしも交換が必要とは限りません。1回だけのCRCエラーなら、ダウンロードファイルの破損やケーブルの緩みが原因かもしれません。ただし、まずはデータをバックアップし、SMART情報を確認してください。診断ツールで健康状態の悪化が見られる場合は、交換を検討したほうが安全です。
A:エラーの意味は同じですが、原因は少し異なります。NVMe SSDでは、極端な温度上昇、コントローラーの不具合、M.2スロットへの差し込み不良などが原因になることがあります。一方、SATA接続のHDDでは、機械的な摩耗やケーブル不良が原因になりやすい傾向があります。
CRCエラーは、壊れたデータをそのまま使わないように知らせてくれる警告です。原因がケーブルなのか、ダウンロードファイルなのか、ストレージ本体なのか。それを落ち着いて切り分ければ、データ損失を防ぎながら対処できます。エラーが出た直後に、無理な修復を急ぐ必要はありません。まずはバックアップを取り、接続やファイルの状態を確認する。それでも改善しない場合は、ストレージ診断へ進みましょう。高速なストレージを安心して使うには、PC本体の安定性や冷却設計も欠かせません。省スペースでも高性能な環境を整えたい方は、GEEKOMのミニPCラインアップもぜひチェックしてみてください。